プログラミング学習の入り口として多くの人が利用する「Progate」。そのシンプルな説明と実践的な演習で、プログラミングの基礎を学ぶにはうってつけのサービスです。しかし、Progateだけで実務レベルのスキルが身につくわけではありません。「Progateを終えたけど、次は何をすればいいの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。
この記事では、Progateで基礎を学んだ後のステップアップ方法と、目的別におすすめの教材をご紹介します。あなたのプログラミング学習を次のレベルへと導くガイドになれば幸いです。
Progateの限界を知ろう
Progateは、プログラミングの「入門」としては非常に優れたサービスです。しかし、以下のような限界があることを認識しておきましょう。
- 実際の開発環境での経験が乏しい: Progateの学習環境は整えられており、実際の開発でつまずきがちな環境構築や細かな設定などを経験できません。
- 課題解決力が身につきにくい: 決められた問題を解くだけでは、実際の開発で必要となる「自分で課題を特定し、解決策を考える」力が養われにくいです。
- 深い理解までは難しい: 言語やフレームワークの基本的な使い方は学べても、なぜそのような仕組みになっているのか、という深い理解には至りません。
- 最新のトレンドへの対応が遅れがち: Webテクノロジーの進化は非常に速く、教材が最新動向に追いつかないことがあります。
次のステップ:目標別アプローチ
Progateの次に進むべき道は、あなたの目標によって大きく変わります。目標別に進むべきステップを見ていきましょう。
1. Webエンジニアを目指す場合
Progateで基本を学んだ後は、実際のWebアプリケーション開発に挑戦しましょう。
次のステップ:
- 開発環境の構築: 実際の開発環境をローカルに構築する(VS Codeなどのエディタ設定、Git/GitHubの活用)
- 簡単なポートフォリオサイトの作成: HTML/CSS/JavaScriptを使って自分のポートフォリオサイトを作成する
- バックエンドとの連携: データベース連携や認証機能などを含むWebアプリケーションを開発する
- フレームワークの本格的な学習: React、Vue.js、Angular(フロントエンド)、Rails、Laravel、Django(バックエンド)などを深く学ぶ
おすすめ教材:
- 『モダンJavaScriptの基本から始める React実践の教科書』(山田祥寛著)
- Udemy「フロントエンドエンジニアのためのReact・Typescript徹底入門」
- MDN Web Docs(Web技術の公式ドキュメント)
- 「Rails チュートリアル」(Michael Hartl著)
2. アプリ開発者を目指す場合
モバイルアプリ開発に進みたい場合のステップです。
次のステップ:
- モバイル開発環境の構築: Android StudioやXcodeなどの開発環境を整える
- プラットフォーム固有の言語の学習: Swift(iOS)、Kotlin(Android)の基礎を学ぶ
- クロスプラットフォーム開発の検討: Flutter、React Nativeなどのフレームワークを学ぶ
- 簡単なアプリの開発: 天気アプリやTodoリストなど基本的な機能を持つアプリを開発する
おすすめ教材:
- 『SwiftUI徹底入門』(金田浩明著)
- Udemy「Flutter & Dart – The Complete Guide」
- 『基礎&応用力をしっかり育成!Androidアプリ開発の教科書』(齊藤新三著)
- Google Codelabs(Android開発の公式チュートリアル)
3. データサイエンティストを目指す場合
Pythonを学んだ後にデータ分析やAI開発に進みたい場合です。
次のステップ:
- Python開発環境の構築: Anaconda、Jupyter Notebookなどの環境構築
- データ分析ライブラリの学習: NumPy、pandas、Matplotlibなどの基本的なライブラリを学ぶ
- 機械学習の基礎: scikit-learnを使った基本的な機械学習モデルの実装
- 深層学習への入門: TensorFlow、PyTorchなどのフレームワークを学ぶ
おすすめ教材:
- 『Pythonによるデータ分析入門』(Wes McKinney著)
- Coursera「Machine Learning」(Andrew Ng著)
- 『ゼロから作るDeep Learning』(斎藤康毅著)
- Kaggle(実践的なデータ分析コンペティション)
実践的な力を身につけるための3つのアプローチ
どの分野に進むにしても、実践的なスキルを身につけるために以下の3つのアプローチを組み合わせると効果的です。
1. 自分でプロジェクトを作る
最も重要なのは、実際に手を動かしてプロジェクトを作ることです。
- 個人ブログを作る: WordPressをカスタマイズしたり、静的サイトジェネレーターを使ったりする
- 自分の課題を解決するツールを作る: 日常の不便を解決する小さなアプリやツールを開発する
- APIを活用したサービスを作る: 外部APIを利用した天気予報アプリやニュースリーダーを作る
2. オープンソースに貢献する
実際の開発現場で使われている技術やプロセスを学べます。
- 小さなバグ修正から始める: 「good first issue」タグが付いたissueから始める
- ドキュメント改善に貢献する: ドキュメントの誤字脱字修正やサンプルコードの追加
- 自分が使っているライブラリを改善する: 日頃使っているツールの改善に貢献する
3. コミュニティに参加する
他の開発者との交流から多くを学べます。
- 技術勉強会やイベントに参加: オンライン/オフラインの勉強会で知見を得る
- 技術Slackやコミュニティに参加: 特定の技術に関するコミュニティに質問や議論を持ちかける
- 技術ブログを書く: 学んだことをアウトプットすることで理解が深まる
言語・フレームワーク別おすすめ次世代教材
JavaScript/TypeScript
- 上級への道:
- 『JavaScript Primer』(オンライン無料書籍)
- 『プロを目指す人のためのTypeScript入門』(鈴木僚太著)
- Frontend Masters(オンライン講座サイト)
Python
- 実践的スキルアップ:
- 『Effective Python』(Brett Slatkin著)
- 『Fluent Python』(Luciano Ramalho著)
- Real Python(オンラインチュートリアル)
Ruby/Rails
- 発展的な学び:
- 『パーフェクトRuby on Rails』(すがわらまさのり著)
- 『Rebuilding Rails』(Noah Gibbs著)
- Drifting Ruby(スクリーンキャスト)
PHP/Laravel
- モダンPHPへ:
- 『Laravel Up & Running』(Matt Stauffer著)
- Laracasts(Jeffrey Way運営のオンライン講座)
- 『モダンPHPの新機能』(Josh Lockhart著)
まとめ:継続的な学習が鍵
プログラミングの世界は常に進化しており、Progateで基礎を学んだ後も継続的な学習が必要です。以下のポイントを心がけましょう。
- 目標を明確にする: 何を作りたいのか、どんなエンジニアになりたいのかを明確にする
- 小さく始める: 完璧を求めず、まずは小さなプロジェクトから始める
- コミュニティを活用する: 一人で悩まず、コミュニティの力を借りる
- 最新動向をチェックする: 技術ブログやニュースレターで最新情報をキャッチアップする
- 楽しむ: 何よりも、プログラミングを楽しむことが長続きの秘訣
Progateは素晴らしい入門サービスですが、それはあくまで始まりに過ぎません。この記事で紹介したステップや教材を参考に、あなたのプログラミング学習をさらに深めていってください。プログラミングの世界は広大で、常に新しい発見があります。その旅を楽しんでください!