1. はじめに
日々の業務の中で「毎回同じことをやっているな」と感じることはありませんか?データの集計、報告書の作成、情報の共有…。こうした「ちょっと面倒」な作業こそ、自動化のチャンスです。
なんでGAS(Google Apps Script)なの?
Google Apps Script(以下、GAS)は、Googleが提供する無料のスクリプト言語です。Google Workspaceのアプリケーションをプログラムでカスタマイズできるため、追加のソフトウェアやサーバーを用意することなく、業務の自動化が実現できます。JavaScript をベースにしているため、プログラミング初心者でも比較的取り組みやすいのも魅力です。
「ちょっとした手間」こそ自動化のチャンス
「たった5分の作業だから自動化する必要はない」と思うかもしれません。しかし、その5分が毎日、全社員に発生すると、年間でどれだけの時間が消費されるか計算してみてください。例えば、20人のチームで1人あたり毎日5分の作業を自動化すると、年間で約400時間(約50日分!)も節約できます。小さな積み重ねが大きな成果を生むのです。
本記事で紹介するシナリオの対象範囲と想定読者
この記事では、特にプログラミング経験がなくても実装できる、実用的なGASの活用シナリオを7つ紹介します。Google Workspaceを使用している企業の管理部門、総務、人事、マーケティング担当者などに特におすすめです。「エンジニアではないけど業務改善したい」という方にぴったりの内容となっています。
2. 基本の準備:GASの始め方
Google Apps Scriptとは
Google Apps Script(GAS)は、Google Workspaceの各アプリケーション(スプレッドシート、ドキュメント、フォーム、カレンダーなど)を拡張・連携させることができるスクリプト言語です。JavaScriptをベースにしているため、プログラミングの基礎知識があれば比較的簡単に習得できます。
スクリプトエディタの開き方
GASを始めるには、次の手順でスクリプトエディタを開きます:
- 任意のGoogle スプレッドシートを開く
- 上部メニューから「拡張機能」→「Apps Script」をクリック
- スクリプトエディタが新しいタブで開きます
初めて開くと、以下のような基本的なコードが表示されます:
function myFunction() { }
これがGASの基本的な関数の形です。この中にコードを書いていきます。
トリガーの基本(時間、イベント、手動)
GASのスクリプトを実行するタイミングは「トリガー」で設定します。主なトリガーの種類は以下の通りです:
- 時間主導型トリガー: 特定の日時や定期的なスケジュールで実行(毎日朝9時、毎週月曜日など)
- イベント主導型トリガー: スプレッドシートが編集されたときや、フォームが送信されたときなど
- 手動実行: ボタンを押すなどの操作で実行
トリガーの設定方法:
- スクリプトエディタの左側メニューから「トリガー」をクリック
- 右下の「トリガーを追加」ボタンをクリック
- 実行する関数、イベントのタイプ、通知設定などを選択して保存
これで、基本的な準備は完了です。次に具体的な活用シナリオを見ていきましょう。